新しいフィードリーダーとしてのFriendFeed

Photo by Robert Scoble

FriendFeedを使っている人の間でRSSリーダーの使用頻度が減っているとの話題がのぼっています。こちらの記事では下記のとおりFriendFeedがリーダーよりも優れている点として、そのフィードをフィルターする機能をあげています。

Loic Le Meur Blog: Friendfeed Is Going To Kill Google Reader, Not Twitter

Friendfeed is much better than Google Reader at filtering your new items. Instead of bringing them to you only based on how new they are, Friendfeed brings them back to you each time a friend of yours adds a comment on them and that is just brilliant, it keeps you in the conversation.

まさにこのフィルターこそがFriendFeedの最大の魅力であると私も感じていたので、そのことについて書いてみたいと思います。

フィードの食べ残しをどうするか?

私はRSSリーダーで購読しているフィードのすべてに目を通すわけではありません。たいてい皆さんそうしてると思いますが、数百のフィードの中から気になる記事を目でひろって読んでいます。そうするとスキップした未読の記事が食べ残しのように残ることになります。そこで、その残り物をMark all as readとすればいいのですが、面倒でしないのです。すると、次回リーダーを開いたときにその「食べ残し」が目にはいる。これはノイズです。そうやって賞味期限の切れた「食べ残し」がいつまでも残っていくのです。

RSSリーダーを使っていて不満なのは、そこのところです。興味のない記事はストックせずに破棄してほしいと思うのです。例えばエントリーがアップしてから3日の間に読まなければ破棄するとかいう設定があれば、今よりもリーダーの中はすっきりとするのではないかと考えるのです。しかしながら、リーダーはその方向には進んでいないようです。

以前にも書いたのですが、これはリーダーが中途半端にストックの機能を持っていることに由来しています。購読するフィードというのは貯めてはいけません。なぜなら、フィードというものは全てフローであり、賞味期限があるものだからです。ストックすべきフィードであれば、それはフィードで幾度も幾度も言及されるでしょうし、行く末は書籍化するなりして残っていくでしょう。フィードはフィード。それをフィルターするのもフィード。結果、残ったモノに価値が生まれる。そういう仕組みではないでしょうか。

フィードをフィルターするのは「人」

フィードをフィルターするのは「人」です。ひとつの記事に対してブログで言及する、SBMにポストする、Twitterでさえずる、FriendFeedでシェアする、などなど。そうやっていくつものフィルターをかけられてその記事は価値をもっていきます。

FriendFeedは、この「人」がフィードをフィルターするという仕組みを取り入れている点が魅力です。対象はあらゆるフィードなので、FlickrからYouTubeのお気に入りからdel.icio.usからTwitterから何から何までです。これもまた従来のRSSリーダーが不得意としていたところではないでしょうか。出来ないことはないのでしょうが、基本的にRSSリーダーはブログのフィードを対象としているものです。

結局のところ、RSSリーダーは昔からあるメールボックスの枠組みから成り立っているものです。受け取る情報が限られていれば、リアルなメールボックスであれ、電子メールソフトであれ、それらは有効でした。けれども、情報の発信元が極度に分散し、受け取ることのできる情報が爆発的に増えている現在、従来からのアナロジーでは最早対応できないところまできていることは間違いなさそうです。

フィルターを他人にまかせる

いくら多くのフィードをRSSリーダーに登録していても、そのなかから有用な記事を見つけるのはひどく骨の折れる作業です。その際、記事を選ぶ基準は自分です。自分というフィルターを通してチェックしていくわけです。この自分というフィルターをもっと拡張することはできないでしょうか。つまり、自分の分身を作るわけです。奇妙に聞こえますが、例えば自分と同じ関心領域・趣味・志向を持つ友人というのは言ってみれば自分の分身とは言えないでしょうか。
この分身を使ってフィードをフィルターしていく。これがFriendFeedのサービスのコンセプトにあたるのではないかと思うのです。

しかしながら、本当に全ての記事を欠かさずチェックしたいフィードについては、これからもリーダーを使っていくことになるでしょう。ですが、そうでないフィードについてはリーダーでの購読はストップして、FriendFeedに任せた方が良さそうです。毎日届けられる膨大な量の情報をすべて消化しないといけないというのはストレスです。必要なものはフィルターされるのですから、まかせない手はありません。