頼まれていないことを仕事にする

取引先から依頼を受けて、または上司から指示を受けて、それで取りかかるのが仕事だと心のどこかで思っていたところがある。
依頼がなければ、それはボランティアである、と。なぜなら、依頼(発注)があってこそ請求が起こせて売上になるからだ。

つまり売上につながらないことは仕事ではない、と。確かにそうだと思う。思うが、直接的に売上に繋がらない仕事というのもたくさんある。間接的にそれは企業の競争力につながっているのだけど、まわりまわってなので効果としては見えない。

成果主義的に言うと、そういう仕事は損だ。売上にどれだけ貢献できたかが数値でもって図れないからだ。査定が主観的にならざるをえない。

しかし、目の前の仕事だけを見て突っ走ってていいのだろうか。

イノベーティブなアイディアを生み出す仕組みとしてグーグルの20%ルールは有名だ。この20%の時間というのは頼まれてやる仕事ではない。ここにアイディアの源泉がある。ビジネスの種がある。

もちろん、今日・明日の生活費を稼ぐような仕事ではそんなことは言ってられない。しかし、余裕がなくなったら結局会社はつぶれるのだ。余裕がなくても余裕を持つことは必要。そして頼まれずにする仕事がどれだけできるか。

制作業界というのはDTPであれ、ウェブであれ同じような性格を持っている。どちらも依頼があるまで動けない(動かない)というところだ。でも、もはやそんな時代ではないように思う。ウェブというのは自主性のメディアだ。アイディアがあればカタチにすることができる。しかも、個人で!そういう仕事がしたい。

みんなが頼まれない仕事を自主的にやることで自由になれたらいいと思う。