牛丼本の一節にしびれた
牛丼一杯の儲けは9円―「利益」と「仕入れ」の仁義なき経済学 (幻冬舎新書)
- 作者: 坂口孝則
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2008/01/01
- メディア: 新書
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仕入れの世界。コストの駆け引き。これはビジネスと呼ばれる世界ならどこでもある話だと思った。とりわけ、自分の属する無形物の制作業界というのに重ねた。
非常におもしろくのめり込んで読んだのだが、下記の一節には思わずうなってしまった。自分が常々思っていることの代弁だと感じた。
p.166
「客がわかる価値を最大化しているか?」
著者は製造業における過剰性能への傾向を例にあげ、一つの軸をもつべきという。その軸とはまぎれもなく「客」であると。こだわりをつきつめることは大事だが、果てがない。自己満足でいいものをつくって、それで満足したとしても客にそれが伝わるかということを考えることは大事だ。クリエイター系の人にこの傾向が強いように思う。作ってるのは作品なのか、商品なのか。
ほぼ日手帳の4月2日に書いてあった一言がなぜか自分のなかでリンクした。
がんばっってできるものは、ぜんぜんたいへんじゃない。やればできるものは、やればできるんだからね。
この一文をどのように解釈するかは、それぞれの置かれた状況によって異なるのだろうと思う。私はこの分を「がんばることが大事なのではない」というふうに読んだ。過程ではなく、結果。お客さんは結果しか知らない。だったら、過程をがんばるのは大事だけど、常に結果を見る冷静さが必要だと思うのだ。
もうひとつ。
p.167
客というフィルターを通して態度を適正化していく
著者も釘を刺しているように、態度を適正化していくことと手抜きをするということは違う。「客はこの程度しかわからないのだから、この程度でいいのだ」ということではなく。客がわかる価値というのは、客が求めている本質だ。そこをピンスポットで焦点をあてていくということ。本質的でないところにがんばるのは自分の時間を捨てることにしかならない。こだわりは大事。でも、どこかで線をひかないと。
考えがまとまってないが、とりあえず。