GTDで頭のなかをスッキリさせることができない理由

GTDの言うオープンループというのが、よくわかっていませんでした。しかし、この堀 E. 正岳さんによるDavid Allen氏へのインタビュー記事で、そのモヤモヤが一気に晴れたようです。

でも同じことを2度考えたなら,それは今はまだ完了していないことについて『私は○○をしなければいけない,したいと思っている,する必要がある』と気にしているというシグナルで,それが私のいうオープン・ループなんだよ。脳が『きみ,これをやると約束したよね』『これを実行すると決めたよね』という具合に心理的なリマインダを繰り返し君自身に向かって発している状態なんだ

第14回 GTDの生みの親 David Allenさんインタビュー特別編(2)「頭を空にする」習慣と,GTDへの信頼の作りかた:ライフハック交差点|gihyo.jp … 技術評論社

私も多くの人が感じるようにGTDにトライし始めた頃には「どこまで頭をクリアーにしないといけない?」と悩んだものでした。GTDの第一人者 田口元さんによると最初に頭の中にある気になることを全て吐き出すには「もうこれ以上書くことない!」となるまで2時間はダンプする必要があるとおっしゃっていました。そして「もう、これ以上ない!」となったときに頭がスッキリするとも。

しかし、私はこのプロセスに満足したことが一度もありません。どれだけ気になることを書き出してもスッキリするどころか、モヤモヤが増える一方で、いつも不完全燃焼のような感じでした。時間が足りなかったわけではありません。田口さんのおすすめするようにカフェでみっちり時間をかけたのですから。

次にGTDに関する理解が足りないのではないかと悩み始めました。もちろん関連書籍やウェブの記事などあらゆるリソースを当たりました。ただ、それで問題が解決するわけではやはりありませんでした。

スッキリしないのはなぜ?

GTDがダメな9つの理由という刺激的な記事があります。そのなかのひとつに "You can’t totally clear your mind" というのがあります。

GTD encourages you to get all those projects, next actions and open loops out of your mind and into a trusted system. That way it frees up your head from unnecessary remembering, tracking and stress. That’s the theory anyway. You can’t get everything out of your head. The best way to get it off your mind is to complete or resolve it, not just write it down!

Organize IT

気になることを消すにはそれをやり遂げるか、解決するしかない、紙に書き出したところでスッキリはしないぜ、とのことらしく大いに納得しました。頭の中にある気になることを全部書き出したところで達成感があるはずもないのです。「気になること」を書き出したところで何も解決はしていないのですから、当然といえば当然です。

つまり、GTDは頭をスッキリさせるための仕組みではないということです。スッキリするのは、頭の中の気になることをダンプしたあと、プロセスにそって適切に処理していった後ではないでしょうか。そうやってToDoが適切な場所に収まることで不安感が減り、やるべきことにフォーカスできるわけです。