ウェブ業界のヘタレを嘆く前に

MarkupDancingさんの連載記事を面白く読ませてもらいました。自分なりに要約すると以下のような感じかと。

  • ウェブ業界は制作・構築側にヘタレが多すぎて迷惑千万である
  • 受託する側もヘタレなら、発注側もヘタレ
  • だいたい制作会社が多すぎるんだよ(だから人材不足だとか言うわけ)

それではヘタレでない制作会社とはどういった制作会社でしょうか。少なくとも下記のスキルを持ち合わせているところを指しているようです。

  • ビジネスロジック
  • 業務フローあるいは経営戦略の理解
  • 企業の事業計画からウェブでの戦略に落とし込む分析力
  • 市場調査の綿密さ
  • 運用計画やフローの立案

これは発注側にも求められているところでしょうけど。ですが、実感としてそんなかっこいいことを言っているところほど信用ならないという気がしないでもないんですが。

そもそも企業が業務を外部に委託するのはどうしてでしょうか。それは、その業務が継続的に必要ないという判断があるからだと思われます。会社パンフレットを作るために人を雇用したりしないですよね。それは継続的な業務じゃないから。ただ、ウェブというのはそうした一時的なものではないということが徐々にみんながわかってきたようなところがあります。ウェブが生まれたてのころにはその成長というのは誰もわかっていなかった。

だけども、ウェブがだんだんとメディア戦略上重要になってきて、今後の成長も考えてやらないとなったとき、それはもはや一時的な業務ではなくなってきたわけです。

そうするとJunnamaさんのおっしゃるように「ウェブ事業に本気なところ」はウェブを継続的事業と位置づけて社内部門化するようになるわけです。

ウェブ業界はどこを向いているのか、は知らんのだけれど。 (Junnama Online (Mirror))

発注側は確実に変化していて、事業に本気なところ程社内にそういった部門をツクり、組織化しようとしているように感じます (そういったクライアントと仕事をすることが増えています)。

これは即ち「制作会社の人間にそんなものを期待しない」という流れです。そうなった時に、クライアントが制作会社、制作プロダクションに求めるものは何でしょうか? 大した力もなくクライアントの担当者程本気でもない上流工程の『知識集約型』人材でふくれあがってコスト競争力の無くなった制作会社を切る * ことか、数少ないウェブ業界の『知識集約型』仕事をこなせる人材を引き抜くかです。

ただ、そうした社内組織化を行うにしても外部の協力というのは必要になります。そこで登場するのが、ウェブコンサルタントというかウェブエキスパートというか。要は臨時ウェブ請負人みたいな、そんな人材(プロジェクトチーム)のイメージでしょうか。

結論から言うと、ヘタレが多いのはしょうがないんじゃないかと思います。供給過多になって制作会社がヒィヒィ言ってるのもしかたがない。そこからの脱出をはかっているところは多いですが、成功しているところは確かにすくないと思います。自分で運営していないくせに他人のサイト運営を手伝えるはずがないというのも正論でしょう。

MarkupDancingさんがいらだっているのは、そういうヘタレのせいで自分にもとばっちりが来るところじゃないでしょうか。その気持ちはよくわかります。

ともあれ供給が過剰になると淘汰が始まるわけで、サバイブしていくんだったら常に水の流れを見ていないといけませんね。そしてそのために筋力を鍛えておかないと!

というわけでCSS Nite in Osaka, Vol.9(Movable Type特集)行きたいと思います。