パンドラが目指すビジョン、音楽業界の3本脚のスツール

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パンドラの箱からの挑戦:音楽流通の新たな流れを作れるか:インタビュー - CNET Japan

インタビューのなかでパンドラの創設者のTim Westergren氏は、現状のミュージシャンたちの多くはワーキングプアであり、それは制作と配給ができても告知・宣伝のところがボトルネックになっているからだと主張する。ミュージシャンたちがワーキングプアから脱して「中産階級ミュージシャン(middle-class musician)」になるにはどうすればいいのか?という問題についてパンドラはひとつの解を提示しようとしている。

それには音楽業界の「3本脚のスツール」の1脚でも欠けることのない状態を作ることだと言う。3本脚とは次の3つのことだ。

  1. 制作
  2. 配給
  3. 宣伝

制作に関しては、いわゆるチープ革命の恩恵を受けて、安価に可能になった。配給に関してもCD Baby: CD Baby: 音楽の販売と配信(これは知らなかった。35ドルで世界中に配信が可能とは)があるので、問題なし。
要は宣伝のところで、何が利用できるかといえば口コミ(バイラル・マーケティング?)だが、音楽の嗜好が多様化し細分化している現在、その人の好みの新しい音楽をレコメンドするのはそう簡単なことではない。しかしながら、パンドラの「音楽ゲノム」のコンセプトはその壁を崩す可能性がある。

Tim Westergren氏は言う。

あるミュージシャンが全く知られていなくても、その音楽がどういうものであるかをわれわれが知っており、音楽分析をすれば、その音楽を楽しんでくれそうな人たちに聞いてもらえる

パンドラが単なるインターネットラジオじゃなくて「音楽ゲノムプロジェクト」と称するところは、こういうビジョンが根本にあるのだということがよくわかった。パンドラは無名ミュージシャンのための有望なマーケティングツールになりうるのだろうか。

日本においてはライセンスの制限の問題でパンドラは楽しめないけども、なかなかに興味深いインタビューであった。

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